テーマパークでアトラクションに乗らざるが如し : Concord〜Napa往復

いつものサイクリング。
今回はカリフォルニアワインの産地の一つとして有名なNapa(ナパ)を目指してみた。
Berkeley(バークレー)からは届かなそうだったのでBARTでConcord(コンコード)まで行って、
そこから往復する事にした。

ガソリンスタンドでの会話 : Concord → Martinez → Benicia → Napa

NapaはBerkeleyやConcordがある地区からは、サンフランシスコ湾の奥に連なる海峡を隔てている。
このCarquinez(カークィネス)海峡には二本の橋が架かってて、自転車でも越える事ができる。
スタート地点のConcordから橋が架かっているMartinez(マーティネズ)まで走る。
Martinezに着く直前で二人組の自転車乗りがいたお陰で、橋の自転車道に迷わずに乗る事ができた。




Benicia-Martinez Bridge (ベニシア-マーティネズ橋)
海峡をまたぐ橋。歩行者/自転車専用の道が付いているのがうれしい。
ここは道路(I-680)の他に鉄道も渡っている。写真ではほとんど分からないが
鉄道橋は歴史のありそうないい雰囲気のトラス橋だった。
[ Nikon D700 + Ai Nikkor 50mm F1.4 ]


橋を渡った対岸の街、Benicia(ベニシア)のガソリンスタンドで一休み。
アメリカのガソリンスタンドにはほぼ必ず軽食を売る店とトイレが付いていて、
日本でのコンビニの役割を完全に担ってくれる。
飲み物を飲みながら休憩していたらタンクローリーのおっちゃんに声を掛けられた。




コーラの缶みたいなもんだ
タンクローリーからスタンドにガソリンを補充している作業を眺めていたら声を掛けられた。
"自転車乗りは客じゃないな。(→でも、こうやって食料とか買うよ→)でもガソリンは買わないだろ。"
"今日は暑いだろう。自分は自転車で走るのはしんどいからやめた。"
"バイクはハーレーとカワサキを持ってる。ワシントンまで走ったよ。"
"ガソリンは3つグレードがあるが、真ん中のはハイオクとレギュラーを50:50で混ぜるんだ。"
"タンクローリーのタンクの厚みは凄く薄い。サイズからいったらコーラの缶みたいなもんだ。
事故ったら怖いぞ。"
とか、そんな会話をした。ガソリンの補充作業も見られて面白かった。
[ Nikon D700 + Ai Nikkor 50mm F1.4 ]


Beniciaから西へ走る。Vallejo(ヴァレーホ)の郊外を迂回して、Napaへ向かう道(CA-29)へ。
ひたすら単調な道を北へ向かって走っていくと、ワインの産地っぽい気配が見えて来た。




Napaっぽさ
Napaに近づいて来た辺りで、ちらほらと道路沿いにぶどう園が現れ出した。
いかにもワインの名産地、といった感じだ。(Napaワインの本場はNapaの先のNapa Valley沿いなのだが。)
[ Nikon D700 + Ai Nikkor 50mm F1.4 ]

テーマパークでアトラクションに乗らざるが如し : Napa

単調な道を走りきってNapaに到着。帰りの体力、時間を考えるとNapaでのんびりしている余裕が無い。
ワインの産地ではあるが、ワインなんか飲んだ日には自転車で真っ当に走れなくなるので
仕方なくワインショップをさっと眺めるだけで済ませた。
Napaに来てワインを飲まないなんて、テーマパークでアトラクションに乗らないような物だ。




Napa Valley Wine Train
Napa観光の目玉の一つ、ワイントレイン。Napa Valleyの景色を見ながらワインと食事を楽しめる。
今日中に自転車で走って帰る予定の僕には縁の無い列車だが。今度はきっと泊まりがけで来よう。
[ Nikon D700 + Ai Zoom-Nikkor 80-200mm F4S ]

日米鉄道考 : Napa → Benicia → Concord

Napaの観光もそこそこに、帰還開始。再び単調な道を引き返す。
心を無にして距離を稼ぐ。来た時とほぼ同じルートを使っているので迷う事がないのが気が楽だ。




どこまでも続く
帰りの途中で見かけた鉄道。どこまでも一直線に、延々と続く感じがする。
[ Nikon D700 + Ai Nikkor 50mm F1.4 ]


来た時と同じようにVallejoの郊外を回って橋のあるBeniciaに到着。
ここまで来れば大分戻って来た気分で一安心だ。




絵になる港町
行きはNapaまでの道を急いでいて通過しただけのBeniciaの街だが、
帰りは時間の余裕ができたのでゆっくり見て回った。
治安もよく、ヨットハーバーのあるいい雰囲気の港街だった。
[ Nikon D700 + Ai Nikkor 50mm F1.4 ]




貨物輸送メイン
アメリカは鉄道が廃れている印象があるが、貨物輸送はまだまだ根強いみたいだ。
面白いのは日本と全く逆な所。
日本では旅客が鉄道、貨物がトラックなのだが、アメリカでは旅客が自家用車、貨物が鉄道のようだ。
鉄道会社も日本と逆で、日本だと旅客会社(JR東日本、東海、西日本、etc.)が線路を持っていて、
貨物会社(JR貨物)が線路を借りている。
アメリカでは貨物会社が線路を持っていて、旅客会社(Amtrak)が線路を借りている。
こっちの鉄道は一日一本とかが普通なので、旅に使うには不便だ。


Beniciaから再び橋を渡ってMartinezへ。MartinezからConcordまでも行きと同じルートで走った。
ConcordでBARTに乗ってBerkeleyまで帰って来た。

まとめ


走行距離 : 118.2km
走行時間 : 5時間54分
平均速度 : 20.0km/h
最高速度 : 51.5km/h


アメリカで初めて100kmを越えた。
補給の仕方、情報の仕入れ方、道の選び方など、ようやく分かって来た気がする。