比較で分かるプロマネ技術 (読了日 : 2016/9/17)

お勧め度:★★☆☆☆ (2/5)

比較でわかるプロマネ技術

比較でわかるプロマネ技術


プロマネとは縁の無い仕事をしているのだが、読み物として読んでみた。
プロジェクトの特徴に応じた失敗しやすい点を示している。
(例 : 大規模 vs. 小規模, パッケージ vs. スクラッチ, etc.)
全体的に軽い読み物といった感じ。
一応読書記録として。

世界一わかりやすいポーター博士の「競争戦略」体験授業 (読了日 : 2016/9/10)

お勧め度:★★★☆☆ (3/5)



企業の競争戦略の初歩的な入門書。
おそらく知っている人には簡単すぎるのだろうと思うが、
このジャンルは全く基礎知識がないので、ちょうど良かった。
以下、自分なりに要約。


企業の利益を作るのは他社との競争を通じた「違い」である。
「違い」を明確にできた企業はその分の割り前として利益を上げる。
競争戦略は競争の要員を分析し、違いの作り方を明確にする事。


競争の要因としては

  • 新規参入の脅威
  • 既存の競争業者間の敵対関係
  • 代替製品からの圧力
  • 買い手の交渉力(顧客)
  • 売り手の交渉力(材料の仕入れ先)

がある。前3つは広い意味での同業他社との利益の奪い合い、
後者2つはバリューチェーン内での利益の奪い合い。
これらに対して自社をどういったポジションへ持っていくのかを考える。


これに対して、以下の戦略で上記5つの競争要因に対抗する。

  • コストのリーダーシップ戦略

 低コスト化によって優位性を確立する:新規参入に対して規模の経済で対抗, etc.

 ブランド力、オリジナリティによって高い需要と付加価値を維持する。

  • 集中戦略

 経営資源の特定の領域(分野、地域、顧客)への集中によって優位性を確保する。


まあ、読んでみれば当たり前の事を言っている気もするが、
まずは初歩的な理解を得るという事で。

「学力」の経済学 (読了日 : 2016/9/8)

お勧め度:★★★★☆ (4/5)

「学力」の経済学

「学力」の経済学


教育に対して投資対効果を統計的に検証した、という内容。
どのような教育方針が「元が取れる」のかを統計的な証拠に基づいて議論する。


エッセンスとしては、

  • 結果でなく行為に対してご褒美をあげると良い。

 例 : 「賢いね〜」でなく「頑張ったね〜」

  • ご褒美で釣ってもよい。お金がご褒美でも良い。
  • 非認知能力(忍耐力がある, 意欲的, 社会性がある, 好奇心がある, etc.)は重要

 →それを育てる幼児教育は極めて重要

  • 周囲の平均的な学力が高いと学力が向上する効果がある。


といった所か。
教育に関しては全員が「経験者」(教育を受けたことがある)であるため、
専門家のエビデンス(証拠)に基づいた議論が追いやられがち、といった話も面白い。


また、教育において科学的な実験を行う事の重要性も興味深い。
不公平が生じないよう配慮は必要だろうが、教育においても
限られたリソースで最大限の効果を得る、という概念が必要な事は
他業種と変わらないはずだ。

最悪の事故が起こるまで人はなにをしていたのか (読了日 : 2016/9/6)

お勧め度:★★★★★ (5/5)


最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか

最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか


ながらく積読になっていた本を読んだ。
この本を勧めてくれたのは以前の研究者時代の先生だった気がする。
遠い昔の話だ。


それはさておき、文明と技術の発展によって高度に複雑化した「マシン」
(原子力発電所, 石油掘削リグ, 航空機, etc.)の事故がどうやって起きたのか、
数多くの事例を紹介する本。
この手の文章では技術そのものに批判的な物が多く見られる気がするが、
この本では、「マシン」の事故は人間の知恵と工夫によって乗り越えられるはずだ、
という観点に立っているのがよい。


「マシン」との共存はもはや避けられない。ならば、どうやって我々は制御すれば
よいのか。ベストプラクティスは何なのか。どこに罠がひそみがちなのか。

  • 一つの籠に全ての卵を入れてはいけない。(冗長性はきちんと分離する)
  • 熟練者でなくとも分かりやすい仕組みを作る。
  • 現場の熟練者が持つ危機感を真摯にとらえる。
  • 社会的なプレッシャーを現場の危機感に優先させてはいけない。

等々。
それぞれ当たり前の事をいってはいるのだが、多数の人が関わる大きなプロジェクトで
その当たり前を実行する難しさを実感させてくれる。


かなり分量のある本だが、一気に読み切ってしまった。
各エピソードでの、危機が迫ってくる展開が手に汗に握る気分だ。
古い本だけれどお勧め。

突然復活を試みてみる

さて、プライベートであまりに大きい変化の連続だったが、翌月からは落ち着きそうか。
状況が大きく変わってしまったので旅行へ出かけるような事は減るが、
その代わりに読書記でもつけてみようかと思う。

飛行機操縦体験


アメリカ生活最後の最後にもう一つ、飛行機操縦の体験に行ってきた。
本当は3週間ほど前に予約をしていたのだが、機材トラブルで度々延期になっていた。
滞在期間のタイムリミットでもうダメかと思ったが、ギリギリでOKが出たので喜んで行ってきた。
(この日も予定していた飛行機は故障で、別の飛行機に振り替えになった。)


体験飛行の会社の受付で待っていると教官のパイロットがやってきた。
お金を払うとすぐに飛行機の所へ向かうと言う。
最初に1時間程座学とかシミュレーションとかをするのだろうと思っていたのだが、
いきなり実機を目の前にする事になった。




Piper PA-28 Warrior
この日の教習機はPiper社のWarrior。約180馬力のレシプロエンジンを積んでいる。
セスナ172と並ぶメジャーな小型機だ。低翼のデザインが高翼のセスナと対照的だ。
[ Nikon D700 + AiAF Zoom-Nikkor 28-105mm F3.5-4.5D ]




Checklist
飛行前のチェックリスト。これに従って操縦系が正しく動作しているか等をチェックする。
チェックを兼ねて実際に動翼を動かしながら、飛行の原理や旋回の仕方を説明してくれた。
[ Nikon D700 + AiAF Zoom-Nikkor 28-105mm F3.5-4.5D ]




燃料も調べる
燃料のチェックの様子。飛行機によって使う燃料が違うので、種類に合わせて色をつけているそうだ。
少し燃料を抜き取って、その色が合っている事やゴミが浮かんだりしていないかをチェックしていた。
[ Nikon D700 + AiAF Zoom-Nikkor 28-105mm F3.5-4.5D ]




コックピット
説明を受けながら飛行機の周りを一周したら、早速コックピットに座るように言われた。
心の準備ができないまま、操縦系統や計器の説明を受けた。
[ Nikon D700 + AiAF Zoom-Nikkor 28-105mm F3.5-4.5D ]


計器の説明が終わると、すぐにヘッドセットを着けてエンジンを掛ける。
滑走路までタキシングしながら、"スロットルを最大まで上げて離陸だ"と言われた。
右も左も分からないまま、滑走路端で離陸準備完了。
考えても仕方ないのでスロットルを最大に上げるとあっという間に加速して離陸した。


最初は操縦桿を握る手に力が入りすぎていて、飛行がふらふらして安定しない。
安定してないのは自分でも分かるのでさらに力が入って悪循環。
教官に"もっとゆったり持って" "遠くを真っすぐ見て" 等とアドバイスをもらうと、
とたんに落ち着いて普通に飛ばせるようになってきた。
一旦落ち着くと簡単な物で、教官に指示されるコースに沿って安定して飛行する。
こうなると自分の操縦でサンフランシスコ、オークランドバークレー
ゴールデンゲートブリッジなどを眼下に眺めるのは最高の気分。


安心していたらゴールデンゲートブリッジの上辺りで急に飛行機が揺れ始めた。
ここは海からの風が海岸沿いの山に当たって吹き上がる場所らしく、
小さな飛行機は気流に揉まれて揺れ放題。針路と高度を維持するのに気を使うが、
空気の流れが実感できてこれもまた面白い。




Golden Gate Bridge and Angel Island
途中、少しだけ操縦を代わってもらって写真撮影。
左奥にゴールデンゲートブリッジ。左手前がエンジェルアイランドで、
右がサウサリートとティビュロン。自転車で走り回った地域が一望だ。
[ Nikon D700 + AiAF Zoom-Nikkor 28-105mm F3.5-4.5D ]


着陸手前までは操縦させてくれたが、さすがに着陸はやらせてくれなかったので、
こちらは操縦桿に手を添えているだけ。それでもフラップを出すと揚力が増えるのが
Gの変化で実感できたりして楽しかった。




手で押せる
着陸後はタキシングの練習を少しさせてもらった。
誘導路の線に沿って地上を走る。意外と思ったように動かないのが難しい。
車と違って足でペダルを踏んで左右に曲がるのだが、ついハンドルを曲げたくなってしまう。
最後は駐機場に停めて、パイロットが手で押して所定の場所に固定して終了。
[ Nikon D700 + AiAF Zoom-Nikkor 28-105mm F3.5-4.5D ]


という訳でアメリカ生活最後の最後にアメリカらしい体験をしてきた。
日本から見るとこういう気軽さというか自由さがうらやましい所だ。


この日の飛行経路はこんな感じ:
https://maps.google.co.jp/maps/ms?msid=212726639864621305412.0004d8a1e825c8cd9a696&msa=0
(GPSで記録を取った訳ではなくて記憶ベースなので細かくは違っているだろうが、大体という事で)

射撃体験


もうすぐアメリカを去るので、アメリカらしい体験をしておきたい。
という事で拳銃とライフルの射撃体験ツアーに行ってきた。




無造作に並んだ拳銃
車でサンフランシスコからオークランドの南にある射撃場(San Leandro Rifle & Pistol Range)へ移動。
駐車場には警察の車両もとまっていて、警官もここで練習するらしい。
ガイドの人が気楽にケースを開けると、中には拳銃が割と無造作に入っていた。


最初に簡単に安全に関するレクチャーを受ける。
弾の装填の有無に関わらず銃口を覗かない、人に向けない、常に前(ターゲット側)に向ける。
撃つ時以外は指をトリガーに掛けない。ジャムったらそのままにして人を呼ぶ。
どれも当然の事なのだが、間違えると命に関わるのでここだけは真剣。




早速射撃開始
安全に関する説明を受けた後、すごく簡単に使い方を教わってすぐに射撃開始。
最初の銃は9mm拳銃弾のオートマチック。最初の一発目は音というか衝撃と反動に驚いたが、
すぐに慣れて的の中心を狙うのが楽しくなった。
うまく狙うコツは、ガクっとトリガーを引くのではなく、絞るように引く事。
カメラで低速シャッターを切るときと同じような感覚だ。




ルガー P89 (多分)
撃った銃と弾倉と弾薬。弾倉はグリップのボタンを押すと落ちてくる。
弾倉のバネを押さえるようにして弾を装填してからグリップに戻す。
後は銃身横のレバーを押すか、スライドを少し引くとバネでスライドが前進して射撃準備OKになる。
セミオートマチックなので、後は引き金を引けば弾がある限り撃ち続けられる。
小火器の類は詳しくないので、自分がつかった拳銃の種類がイマイチ分からないのが残念。




.44口径マグナム
9mm拳銃の次は.44口径マグナムのリボルバーを撃たせてもらった。
マグナム弾だけあって音も反動も一周り強烈だが、銃本体も重いので思ったより扱いやすかった。
リボルバーはオートマチックと違って装填したり、撃鉄を起こしたり、排莢したりするのが手動なのが面白い。
そしてやっぱり銃の種類が分からないのが残念だ。




拳銃のターゲット
ターゲットは約10mの距離に置かれていた。
黒い丸の直径が約15cmほど。この距離なら素人でも十分に当てられるという事が分かった。




M16
続いてライフルも体験。使わせてもらったのはM16で、米軍を始め世界中で使われているライフルだ。
あるいはゴルゴ13の銃、と言った方が通りがいいかもしれないが。
こちらは拳銃とは全く違った操作感覚。まずターゲットが100mの距離に置かれる。
それをスコープで覗きながら、スコープの十字線をターゲットの中心に合わせて発射する。
スコープ内でもターゲットの黒丸はほぼ点にしか見えないので、
静かに銃を持って揺れを押さえながら、十字線が重なるタイミングを測って撃つ感じだ。
ターゲットに当たったかどうかが全く分からないのが難しかった。




拳銃のターゲット
拳銃のターゲット。口径の違いがそのまま弾痕のサイズの違いになっている。
少し上に寄っているが、思ったよりもよく集弾している。初めてでも割と当たる物だ。




ライフルのターゲット
こちらはライフルのターゲット。撃っている最中は当たっているのかも分からなかったが、
こうやってみるとちゃんと当たっている。 (やはりやや右上に寄っているが)
一番上のと左下のは意図的に外したので、それを差し引くとこちらも結構集弾している。


という訳で最後にアメリカらしい体験をしてきた。
純粋に的を狙って撃つというのが楽しく、発砲の衝撃も心地よい感覚だ。
スポーツとして面白いとは思うが、日本では決してできないのが残念だ。



今回ツアーしてもらったのはHigh Bridge Armsという会社。
射撃場への往復の車中なんかに社長の高橋さんのワイルドな話が聞けるのが面白かった。