「学力」の経済学 (読了日 : 2016/9/8)
お勧め度:★★★★☆ (4/5)
- 作者: 中室牧子
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2015/06/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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教育に対して投資対効果を統計的に検証した、という内容。
どのような教育方針が「元が取れる」のかを統計的な証拠に基づいて議論する。
エッセンスとしては、
- 結果でなく行為に対してご褒美をあげると良い。
例 : 「賢いね〜」でなく「頑張ったね〜」
- ご褒美で釣ってもよい。お金がご褒美でも良い。
- 非認知能力(忍耐力がある, 意欲的, 社会性がある, 好奇心がある, etc.)は重要
→それを育てる幼児教育は極めて重要
- 周囲の平均的な学力が高いと学力が向上する効果がある。
といった所か。
教育に関しては全員が「経験者」(教育を受けたことがある)であるため、
専門家のエビデンス(証拠)に基づいた議論が追いやられがち、といった話も面白い。
また、教育において科学的な実験を行う事の重要性も興味深い。
不公平が生じないよう配慮は必要だろうが、教育においても
限られたリソースで最大限の効果を得る、という概念が必要な事は
他業種と変わらないはずだ。