election(2)

参院選が終わって開票が進んでいる。
大方の予想通り、LDP大敗/DPJが大勝のようだ。
選挙が終わったので、気になったことを書いてみる。


●選挙の争点
選挙の争点は結局年金問題(と閣僚の失言)だったようだ。
前回参院選が年金未納問題、前回の衆院選郵政民営化、今回が年金記録問題。
何れも決して小さな問題ではないが、国の大方針に属する問題でもない。
しかも年金二問題や失言は"後ろ向き"なテーマだ。


今の政権に変わって以降の重大な政策は、憲法改正手続き法の制定と教育基本法の改正だろう。
どちらも国の大方針に属する問題だ。
他にもエネルギー問題や安全保障、拡大する格差の問題など重大な問題がある。
どうしてこれらが争点にならないのか。さっぱり分からない。


年金問題
年金問題に関して、LDPが監督責任を問われるのは当然だろう。
だが、社会保険庁の合理化に反対していた労働団体(確か自治労)はDPJの支持団体だったのでは?
しかし、LDPを責める論調は見られても、DPJの責任を問う論調はあまり見られなかった印象だ。


●マスメディアの影響力
マスメディアは結局上のような政策を問うのではなく、年金問題と失言を煽り立てた。
これでこの結果なのだから、マスメディアの影響力は健在ということだろう。
前回の衆院選でもそうだったが、地滑り的選挙はしばらく続くようだ。


●今後
これで衆院では与党が2/3、参院では野党が過半数という非常にややこしい状態になった。
野党が反対する法案が与党から提出されると
衆院通過(過半数)→参院否決(過半数)→衆院再通過(2/3以上)
で通る事になるが、これは"強行採決"の非難は避けられないだろう。
野党側には参院での討議を引き延ばす戦術を取ることもできる。
実質、現政権は何もできなくなるのでは?

これは政治改革の停滞を意味するような気がしてならない。
(例えば、社保庁改革は今後の懸案事項。
この制度改革にはDPJの協力が必要になる訳だが、DPJには社保庁の労組が付いている。)