湖南三山の二 : 常楽寺と長寿寺

週末に古建築を見ようシリーズ第三弾。(多分この秋の最終回)
滋賀県湖南市に国宝の本堂を持つ寺院が3つある。
普段は拝観するには予約が必要だが、秋の同時公開という事で今は予約が要らない。
折角の紅葉シーズン、運動も兼ねて自転車でこれらを見に行った
…のだが、寝坊してしまって出発が遅くなったので周れたのは二つだけ。残念。
走行距離は約75km。距離は普通だが、
湖南三山付近が丘陵地だったのでアップダウンが多く、結構疲れた。

常楽寺 (西寺)

京都を出発して約2時間。ようやく常楽寺に到着。
時間が遅かったのと、ちょっとマイナーなためか観光客が多くないのがよい。



常楽寺 本堂 (国宝)
南北朝時代の建築。屋根は桧皮葺の入母屋造。
純和様な感じの本堂。組物も二手先でうるさくないのが素朴な印象を与える。
内部は外陣と内陣に分かれ、天井の高さを変えてある。和様の完成形といった所か。



常楽寺 三重塔 (国宝)
室町時代前期の建築。こちらも意匠は和様。(そもそも和様でない塔は珍しいのだが。)
軒の出が深く、一層辺りの高さも程良い。なかなかのプロポーションだと思う。

長寿寺 (東寺)

常楽寺から長寿寺へは自転車ですぐ。
こちらも観光客が多過ぎず、落ち着いて見られるのが良い。
長寿寺にも三重塔があったらしいが、他所へ移築されてしまったらしい。



長寿寺 本堂 (国宝)
鎌倉時代の建築。屋根は桧皮葺の寄棟造。
こちらも和様な雰囲気。組物が非常にシンプルで、常楽寺の本堂以上に素朴な印象。
外陣と内陣に分かれた内部構成も常楽寺本堂と似通っている。
この二寺はいずれも天台宗で深いつながりがあるので、そのためかもしれない。

帰り道&寄り道

長寿寺で四時になってしまったので、湖南三山もう一つの善水寺はあきらめて帰る。
帰途、何気なく走っていたら、どうやらその道は旧東海道だったようだ。
言われてみると、道幅や民家に何となく旧街道の雰囲気がする。
草津の本陣跡に寄り道しながら、近江大橋を渡って帰った。



夕闇に沈みゆく (絞り優先AE F/3.7 Tv1/15 ISO-800 露出補正-1.3)
近江大橋から膳所、石山方面を撮影。
山並みのシルエットと街明かりが湖面に映って綺麗な光景だった。
上下のシンメトリーを強調するために、あえて水平線を中央にしてみた。
夕暮れはコントラストが強く、ドラマチックな写真を撮れるのがいい。

大津からは逢坂山→山科→九条山→蹴上で京都へ帰還。
ふと、永観堂で夜のライトアップをやっていたのを思い出したので、
写真の練習にという事で行ってみた。
夜の永観堂はものすごい人出。境内に入るにも列、堂を見るのにも長蛇の列。
ライトアップされた紅葉は綺麗なのだが、雰囲気はいまいち。



闇に浮かぶ赤 (絞り優先AE F/3.5 Tv1/30 ISO-1600 露出補正+0.3)
永観堂、夜の特別拝観にて。
闇に浮かぶもみじの葉、というのを表現したかったが、
いろいろな物が映りこんでなかなかいいアングルが取れなかった。
この写真も少し周りがうるさい印象。雰囲気はいいと思うのだが。