マニアックへの基本は分類から

何をもって"マニアック"と称するかは人それぞれだろうが、
とりあえず「分類僻」は共通項なのではないだろうかと思う。
最近、日本建築に興味を持ち始めた。ここは"マニアック"の基本に忠実に、まずは分類から入ってみる。

棟門(むなもん) : 厚みの無い門。柱は2脚。
薬医門(やくいもん) : 本柱の後ろに控え柱を置く。柱は4脚(本柱2本+控え柱2本)。
四脚門(しきゃくもん) : 本柱の前後に袖柱を置く。柱は6脚(本柱2本+袖柱4本)。
八脚門(はっきゃくもん) : 本柱の周囲に4本の袖柱を四角形に配置。柱は10脚(本柱2本+袖柱8本)。仁王門など。
楼門(ろうもん) : 2階建ての門で、1階に屋根がない物。2階には高欄をめぐらす事が多い。
重層門(じゅうそうもん) : 2階建の門で、1階にも屋根がある物。
高麗門(こうらいもん) : 本柱と控え柱の間に小さな屋根を置いた物。(開門時に門扉を雨から守るため)
長屋門(ながやもん) : 門の左右に居住スペースのあるもの。
屋根
切妻 : 2枚の板をあわせたような形。平側から見ると四角形。妻側から見ると三角形。
寄棟 : 4枚の板をあわせたような形。平側から見ると台形。妻側から見ると三角形。
入母屋 : 下部が寄棟、上部が切妻のような形。妻側から見ると三角形の垂直な壁面(破風)が見える。
方形 : 4枚(または8枚など)の屋根が頂上の一点に集まるような形。屋根は三角形に見える。
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平入り : 棟に平行な面を正面にした建築。
妻入り : 棟に垂直な面を正面にした建築。
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破風(はふ) : 屋根の切妻面にある装飾。
唐破風(からはふ) : 弓なりな形状の破風。
千鳥破風(ちどりはふ) : 屋根の斜面部分に取り付けた破風。(城の天守に付いている飾り用の屋根みたいなの)
建物の名前(城)
天守(天主) : 城の中心となる建物。物見櫓の発展?
隅櫓 : 曲郭の隅に置かれる櫓。突出部は攻撃の対象になりやすい(2方向から攻撃を受けるため)ので、防衛の要となる。
曲郭 : 堀や石垣のプラン(配置)。本丸、二の丸、etc.
鉤手 : 城への侵入路が折れ曲がるところ。攻撃側は多方から攻撃を受けることになる。
門 : 城の門は攻撃の対象なので鉤手の奥に配置される場合が多い。
建物の名前(神社)
本殿 : 神社のメインとなる建物。神のよりしろ(居場所)となる。古代の神社は山や木などを御神体とするため本殿を持たないものもある。
拝殿 : 本殿の前に配置される。儀式にも使用される事が多い。
幣殿 : 本殿と拝殿をつなぐ建物。供物が置かれる。
楽殿 : 神楽を奉納するための建物。四方が吹き放ちになる。
摂社 : メインの建物とは別に、縁のある神社を境内に祭ったもの。
手水舎 : 参道脇に置かれる手や口を清める建物。寺院にも見られる。
鳥居 : 神社の入口に置かれる。神明鳥居、明神鳥居などに分類できる。
建物の名前(寺院)
本堂 : 寺院のメインとなる建物。本尊が祭られる。
庫裡 : 寺院を管理する僧侶が暮らす建物。
塔 : 仏舎利を納めるための建物。源流はストゥーパと思われる。
鐘楼 : 鐘を置く堂。
山門 : 寺院の入口となる門。三門、三解脱門とも。