奈良へ (その1)

古建築に興味を持った以上、奈良を避けては通れない。
ミーティングも終わったことだし、ちょっと遠出してみた。例によって自転車で。


ルートは川端通師団街道→R24→木津川流橋→木津自転車道→木津→r754→奈良
奈良まで行くと、京都へ帰るより実家へ行くほうが近い。
疲れた事もあって、奈良盆地西部の実家へ。
奈良市街→薬師寺→奈良自転車道→富雄川沿い→斑鳩→上牧→香芝
走行距離は83km。さすがに疲れた。

東大寺

京都を10:30に出発してから3時間半、14:00頃に奈良に到着。
やっぱり遠い。奈良坂を超えて東大寺の大仏殿が見えたときは嬉しかった。
実は、見えてからもそれなりに距離があるのだが。



東大寺 南大門 (国宝)
ここ以外にほとんど例が無い大仏様(天竺様)の建築。
大仏様は鎌倉時代初期、重源が東大寺を再建した際、
低コストで巨大な建築を建てるために用いた様式。
装飾を廃したシンプルさと建築部材をそのまま見せる豪快さが特徴。
この門は大伽藍の南大門に相応しい巨大さと豪快さを持っている。
この建築を見たいがために奈良に来たといっても過言ではない。



東大寺 南大門 (内側の拡大)
天井の中もジャングルジムのような骨組みを剥き出しで見せている。
大きな屋根を支えるのは無節操とも思える七手先の挿肘木。
この飾らなさが実にかっこいい。

興福寺

大仏は何度も見たのでパス。という訳で次の目標は興福寺
資料館では有名な阿修羅像を見ることができた。
名高いのも納得の良さだった。写真に撮れないのが残念。



興福寺 東金堂/五重塔 (共に国宝)
興福寺五重塔室町時代の再建。現存する五重塔では2番目に高い。
高さ1位の東寺五重塔と比べると、こちらの方がシルエットが美しいように思える。
一層の高さを適度に抑えられているのが違いだろうか。
薬師寺三重塔との比較で"野暮ったい"と言われたりもするが、
この塔もなかなか恰好いいと思う。

薬師寺

奈良で東大寺南大門と並んで見たかったのが薬師寺三重塔。
薬師寺奈良公園から少し西へ離れた場所にある。
時間も遅くなってきていたので急いで移動した。



薬師寺 東塔 (国宝)
天平時代の建築。現存する塔としては3番目に古い。(法隆寺五重塔法起寺三重塔→これ)
六重塔に見えるが、小さい屋根は裳階(もこし:飾り屋根)なので三重塔。
フェノロサが「凍れる音楽」と評した事でも有名。
単調になりがちな三重塔だが、裳階と膨らみをつけた事でダイナミックな印象を与える。
設計者の美に対する確固たる信念が感じられる。かっこいい塔建築だ。

今日の一枚



これからが本番 (絞り優先AE F/11 Tv1/125 ISO-100 露出補正-0.7)
輝くススキと自転車を逆光気味に撮影。
ここから向こうに見えている土手をひた走る。
気力十分、まだまだ元気、って感じを出したかったので明るめで。