奈良へ (その2)

自転車で80km、実家で泊まった翌日の話。
来た以上は帰らなければならない訳だが、
輪行袋を持っているので疲れたら電車で帰るつもりだった。


だが、帰りに唐招提寺を見ようと思っていると話すと、
親もそのうち見ようと思っていたらしく、(自転車を積んで)車で見に行く事になった。
唐招提寺を見た後、昼食をとってから自転車で京都へ帰るつもりだったのだが、
適当なレストランが無く、車を走らせながら探しているうちに京田辺
帰りは運動不足になってしまった。
ルートは京田辺→一休寺→木津川流橋→r15→宇治→宇治川沿い→師団街道→京都
走行距離は40km。少なめだが、昨日の疲れもあってそれなりにしんどかった。

唐招提寺

唐招提寺の見所は金堂と講堂…なのだが、あいにく金堂は大修理中。
講堂しか見られなかった。かなり残念。



唐招提寺 講堂 (国宝)
元は平城宮の東朝集殿だったのを移築したもの。
よって奈良時代の建築…のはずなのだが、違和感を感じる。
鎌倉時代から用いられるようになった貫(柱を貫通する横方向の部材)が使われている。
おかしいと思ったら、もとは吹き放ちの建築だったものを鎌倉時代に改築したらしい。
納得。身に着けた知識が役に立ったのが嬉しい。いや、実用の役には立っていないが。

一休寺

京田辺で自転車で行動開始。地図を確認していると、近くに一休寺がある。
きっと一休さん(一休禅師)ゆかりの寺だろうと思って行ってみた。
境内は落ち着いた雰囲気の禅寺なのだが、
小さな橋に"このはしわたるべからず"と注意書きするサービス精神が面白かった。



禅宗様 (一休寺本堂を拡大)
禅宗様(唐様)は平安後期に中国の宋から伝わった建築様式。
この一休寺の本堂は禅宗様の特徴を端的に示しているので説明してみる。
1. 扇垂木 : 垂木(屋根を支える部材)が屋根の隅で放射状に配置される (和様では平行配置)
2. 詰組 : 組物(垂木を支える部材)が柱の上以外にも配置される (和様では柱の上のみ)
3. 貫 : 柱を貫通する横方向の部材 (これは和様にも取り入れられていく→折衷様)
4. 花頭窓 : 上部がとがった形の窓。