丘陵地帯を行く : 益子、那須へ (つくばシリーズ vol.2)

再びつくばを起点にサイクリング。
前回は西に向かったので、今回は北へ向かってみた。
行き先は焼き物で有名な益子とその北の那須烏山

自転車の高速道路 : つくば→岩瀬→益子

つくばの東には"つくばりんりんロード"という名前のサイクリングロードが
東の土浦からつくばを経由して北の岩瀬までつながっている。
せっかくなので、このサイクリングロードを利用して岩瀬まで走る。
右手に筑波山加波山、足尾山などを眺めながら走る気持ちのいい道だ。
この道は筑波鉄道廃線跡を利用しているので直線的でアップダウンもほとんど無い。
快調に走れるはずなのだが、全ての交差点でこちら側に"止まれ"が付いているのがつらい。
国道や県道ならともかく、市道や農道に対してはこちらに優先権を付けてもらいたいものだ。
それでも直線的で平坦な道は威力絶大で、気がつくと終点の岩瀬に着いていた。


岩瀬からは県道41号で益子へ。
こちらは丘陵の端に沿って走る緩やかなアップダウンの道。
自転車道とはまた違った意味で気持ちよく走れる。

益子

益子は焼き物で有名な町。
まずは駅付近から市街地を散策して町の雰囲気を楽しむ。
その後は近くにある名刹西明寺へ足を伸ばした。




陶器屋の軒先
益子は益子焼という陶器で有名な町だ。
市街地を散策しているとそこここに陶器を扱う店が並んでいる。
その中でも、飾らない感じのこの店がいい雰囲気を出していた。
[ Nikon D200 + Ai Nikkor 28mm F2.8S ]




降り積もる信仰
西明寺本堂の扁額周りに数多くの千社札が貼られていた。
より高く、目立つ所に貼りたいという事で竿のような物を使って貼るらしい。
時間を掛けて降り積もった信仰心が目に見える形になって表れているのがいい。
千社札にもルールがあって"扁額には貼らない"というのがあるのだが、
それを破っている人がいるのが残念だ。
[ Nikon D200 + Ai Nikkor 28mm F2.8S ]




石仏ポートレート
西明寺参道の石段脇に見つけた石仏。
微笑をたたえたちょっと不思議な感じのする像だ。
長い焦点距離のレンズでポートレートを撮るような気分で撮影してみた。
[ Nikon D200 + Ai Nikkor 135mm F2.8S ]

丘陵地帯→滝 : 益子→那須烏山

益子を後にしてさらに北へ向かう。しばらくは真岡鐵道沿いの道を走る。
途中、道沿いに展望台が建っていて、何が見えるのかと思ったら
真岡鐵道の"SLもおか"を見るための展望台らしい。
SLもおかは休日は定期的に走っているようで、一度見に来てみたい所だ。
しばらく進むと道は真岡鐵道を離れて丘陵地へ入る。
ゆったりとしたコースが気持ちいい。
小さな峠を越えて那珂川沿いの町、那須烏山に入る。




龍門の滝烏山線
烏山の市街地へ行く前に、烏山の外れにある龍門の滝を見に行った。
この滝は台地からこぼれ落ちるようなロケーションで、幅が広いのが特徴だ。
背後にはいかにもローカル線といった風情のJR烏山線が走っている。
[ Nikon D200 + Ai Nikkor 28mm F2.8S ]


滝を見た後は烏山の市街地へ。
烏山の市街地はどことなく趣のある町並みだった。
町の北西にある烏山城那須与一の子孫にあたる那須氏の居城だったらしい。
色々見所の多そうな町でゆっくりしたかったのだが、もっと遠くへ走りたいので
散策を切り上げて先へ進む。

那須野が原へ : 那須烏山→黒磯

烏山はJR烏山線の終点なので輪行で帰る事ができる。
ここから北へ進むと次は東北本線の西那須野辺りまで駅が無い事になる。
のんびりしていると日が暮れてしまうのでハイペース気味に走る。


那須烏山からしばらくは八溝山地と塩那丘陵に挟まれた那珂川沿いの谷を走る。
大田原市に入ってすぐの佐良土(さらど)の付近から視界が開ける。
ここからが日本で一番広い扇状地那須野が原に入る。
那須野が原那須山の麓から差し渡し20kmほどの広がりを持つ平原だ。
扇状地らしく河川が伏流水となっていて、昔は水の無い(=農業ができない)不毛の地だったらしい。
明治になって那珂川を利用した灌漑用水が作られてから、広々とした米の産地に変わったようだ。




トップヘビーな山門
佐良土付近で道が折れ曲がっているのだが、
その折れ曲がっている所に雰囲気のある寺院(法輪寺)があったので立ち寄ってみた。
写真は中の院(?)の山門から外を撮ったもの。
関東では写真にあるような屋根が大きくて重い印象のする山門が多い気がする。
[ Nikon D200 + Ai Nikkor 28mm F2.8S ]


佐良土から国道400号で大田原を目指す。
大田原は奥州街道沿いの町で、いい町並みが残っているらしいのだが
日没が迫っているのでゆっくりはできない。
少し離れた場所を走っているJR東北本線までもうひと頑張り。
那須塩原駅に着いたときには日が暮れていたが、
次の黒磯駅の方が町っぽいのでもう一駅走る。
黒磯駅前のスーパーで晩御飯を買い込んで輪行で帰還した。
(帰りのルートは黒磯→[東北本線]→小山→[水戸線]→下館→[関東鉄道常総線]→宗道)

まとめ

那須という土地は遥か北の方だと思っていたのだが、思ったより近かった。
前回のひたすら平地を走るのと比べると、
緩やかでも起伏のある土地を走る方がより楽しい。
北関東の地理の理解がかなり深まったのも収穫だった。



走行距離 : 125.3km (宗道→つくばを入れると131.9km)
走行時間 : 5時間30分
平均速度 : 22.7km/h
最高速度 : 48.5km/h