湖東三山めぐり+あるふぁ!

週末サイクリング。
最近スタートから輪行する遠出ばかりだったので、
久々に京都からのんびりと走ってみた。
行き先は滋賀県の湖東三山+α。

行き : 京都→八日市

京都から滋賀県へはいつも通りの山科経由のルート。
久々とはいえ、散々走り慣れた道なので特に言うべき事も無く通過。
大津からは近江大橋を渡って県道42号から県道2号の彦根道へ。
野洲から国道8号→421号で八日市に入る。全て走ったことのあるお馴染みの道だ。
国道421号近江鉄道八日市線と平行して走る。
八日市駅の隣にいい雰囲気の駅舎があるというので立ち寄ってみた。




ノスタルジア
八日市の一つ手前の駅が新八日市駅だ。
新幹線でも止まりそうな駅名だが、大正時代に建てられた駅舎が今でも現役で使われている。
木で作られた改札口付近に味わいがあった。
[Nikon D200 + Voigtlaender Nokton 58mm F1.4 / 絞り優先(F2.8)]


八日市駅前の平和堂(大型のスーパー)でやや早い昼食休憩をとる。
ここの平和堂も以前立ち寄った事がある。
滋賀県を走る上で平和堂は補給拠点として欠かせない。
少し体力を回復して湖東三山へ向かった。

湖東三山 : 百済寺(ひゃくさいじ)→金剛輪寺西明寺(さいみょうじ)

湖東三山というのは湖東地域に残る天台宗名刹三寺をセットにして呼んだ物だ。
織田信長比叡山を焼き討ちした際、この天台宗の三寺も焼き討ちを受けたが
三寺中二寺院で鎌倉/室町時代の本堂が現存している。
その湖東三山を南から順に見ていく事にした。




長い長い石段 (百済寺)
百済寺は入り口から本堂まで長い石段が続いていた。
その石段の脇には石垣で段々に作られた平地が残っている。
寺が栄えた時代にはここに僧房が連なっていたのだろう。
その規模にこの寺院の隆盛と、栄枯盛衰を感じる事ができた。




金剛輪寺 本堂 (国宝)
金剛輪寺の本堂は室町前期頃の建築で国宝に指定されている。
桧皮葺の屋根の広がりとシンプルな和様の意匠が美しい建築だ。
内部は手前側の外陣と奥の内陣に分かれている典型的な密教寺院の構成。
本堂の中も重文クラスの仏像が数多くあり、かなり見ごたえがあった。




西明寺 三重塔 (国宝)
西明寺の本堂も金剛輪寺と同様の和様建築で典型的な密教寺院の本堂だった。
中に多くの仏像があるのも同じ。ここでは解説の人がいろいろと説明してくれた。
その本堂の横にはこれも国宝の三重塔が建っている。
和様を基調とした建築で軒の広がりと高さのバランスがいい名塔だ。
この本堂+三重塔というのは天台寺院の基本構成で、
いかにも歴史ある近江の寺院といった風情だ。


百済寺金剛輪寺は駐車場から本堂まで参道を結構登らなければならないのが
自転車で走って来た身にはしんどかった。
後、拝観料が三寺おしなべて500円というのが…
値段に見合った内容なのは分かるが、三箇所めぐると出費が痛い。
とはいえ、湖東三山は並び称されるだけの事はあってどこも見ごたえがあった。

+あるふぁ! : 豊郷→長浜

湖東三山を見るという目的は達成したので、続きはおまけで走る。
近くまで来たので湖東に残るヴォーリズ建築の豊郷小学校旧校舎を見に行く。
ヴォーリズは明治末に日本に来たアメリカ人(後に日本に帰化)で、
数多くの洋風建築の設計を手がけた。(詳しくはウィリアム・メレル・ヴォーリズ(Wikipedia)参照。)
近江八幡を中心に活動し、滋賀県を中心に多くの洋風建築が残っている。


この豊郷小学校旧校舎は取り壊しになりそうになって、
住民が反対運動を行った結果存続が決まった経緯がある。
今は町の図書館や公民館的な使われ方をしているようで、
訪れたこの日も多くの人で賑わっていた。




うさぎとかめの階段
この校舎の階段の手すりには童話「うさぎとかめ」を題材にした像が置かれている。
過剰に装飾的な訳ではないが、こういった小さな所に気を遣うというのがいい。
この建築に比べれば戦後に鉄筋コンクリートで建てられた学校建築の何と味気ない事か。
こういった建物で学べるというのはかなり贅沢な事だろう。
(階段を登った先は"音楽室"なのだが、それについては触れないでおこう。)


ここまで陸側ばかりを走っていたので湖の近くへ行きたくなった。
走行距離を稼ぐためにも湖岸の走りやすい道を走りたかったので湖岸へ。
この日は快晴で湖岸の美しい夕景を見ることができた。




冬の夕景
湖面に映った夕日の照り返しを背景に、大半の葉が枯れ落ちた木の枝を撮影してみた。
[Nikon D200 + Reflex Nikkor C 500mm F8 / F8固定]




Sunset
500mm(35mm換算で750mm相当)の超望遠レンズで夕日を撮影。
太陽がこの大きさに写るのが面白い。
望遠レンズの遠近感の喪失を活かして、日本画のようなイメージの写真を撮ってみたい所だ。
[Nikon D200 + Reflex Nikkor C 500mm F8 / F8固定]


夕景を楽しんだ後、長浜まで走って終了。
自転車をパックして、長浜始発の新快速で山科へ。山科からは自走で帰ってきた。

まとめ


走行距離 : 103.7km
走行時間 : 4時間29分
平均速度 : 23.1km/h
最高速度 : 44.5km/h


Tokina AT-X DX PRO 12-24mm F4
Voigtlaender Nokton 58mm F1.4 SL2
Reflex Nikkor C 500mm F8