何気なく祭る八百万 : 熊谷→秩父

こんなご時世だが、サイクリングはサイクリング。
さすがに北へ向かう訳にはいかないので、以前行こうとして辿り着けなかった秩父へ行ってみた。

(つくば→)熊谷→秩父

以前つくばから走った時は関東平野を横断するだけで時間が無くなってしまったので、
今回は熊谷まで自動車で運ぶ事にした。
出発が遅かったり、道路が意外と混雑していたりで熊谷の出発は昼前になってしまった。


熊谷から国道140号の旧道(秩父往還)を走る。適度な交通量で走りやすい道だ。
何と言う事の無い日本の田舎道なのだが、だからこそ日本っぽさを満喫できる。




路傍の地蔵
秩父往還を走っている時に見つけた地蔵。
左右にも石碑が建っていて、道行く人や地元の人の信仰を集めただろう事を伺わせる。
この何気なく祭られている雰囲気に、八百万な日本っぽさを実感する。
[ Sony NEX-3 + Leica Summarit 5cm F1.5 ]


前回終了地点になった寄居から、ようやく未知の世界へ入る。
山を回り込むようにして走る荒川沿いを遡上して行く。
途中、長瀞(ながとろ)を観光したりしながら秩父まで快走した。




祈りの赤
荒川に沿って谷筋を走っている時に見かけた石碑と旗。
今も信仰を集め続けているのだろう。奉納された幟の赤色が印象的だった。
[ Sony NEX-3 + Minolta M-Rokkor 28mm F2.8 ]

信仰と石灰岩 : 秩父→三峰口→秩父

秩父に到着したもののこれといって目的地は無いので、とりあえず秩父神社へ寄って見た。




東照宮的 (秩父神社本殿)
秩父神社の社殿は彩色された彫刻で飾られていた。
要所要所に見所となる彫刻があったりして、ちょっと東照宮っぽさを感じる。
写真では左下の方にいる猿(よく見る、よく話す、よく聞く猿らしい。東照宮の三猿とは逆)
が見所らしい。
[ Sony NEX-3 + Minolta M-Rokkor 28mm F2.8 ]




絵馬
折角90mmのレンズも持ってきたので、ちょっと退屈な構図だが絵馬でテスト撮影。
[ Sony NEX-3 + Minolta M-Rokkor 90mm F4 (絞り解放) ]


秩父の道の駅で、近くに鍾乳洞があるらしい事を知ったので行ってみた。
橋立鍾乳洞という洞窟で、すぐそばに橋立堂という寺院がある。
秩父には秩父三十四カ所という札所巡りがある。西国三十三カ所、坂東三十三カ所と合わせて
百観音巡りになる巡礼ルートだ。この橋立堂はその28番札所になっている。
鍾乳洞も胎内巡りとして信仰上の意味を持っていたようだ。
鍾乳洞の内部は横に進むのではなく縦に登っていく形になっている。
狭い所をくぐり抜けながら登っていくのはなかなか面白かった。




岩を背負う堂
橋立堂は石灰岩を背負うようにして建っている。
この背後の山はまるごと石灰岩でできていて、すぐそこは鉱山になっている。
山の秩父側は頂上付近まで削り取られていて、異様な山容になっていた。
[ Sony NEX-3 + Minolta M-Rokkor 28mm F2.8 ]


鍾乳洞を見終えたのが夕方5時。時間が中途半端に余ってしまったので、
荒川沿いを走る秩父鉄道の終点まで自転車で行ってくる事にした。
時間が無いのでハイペースで飛ばして終点の三峰口へ。




セメントを運んだ昔
秩父石灰岩を掘り出す鉱業で栄えている。
秩父鉄道も多分にここで掘り出される石灰石を運ぶために作られたようだ。
終点の駅近くには鉄道公園があって、以前に使用された貨車などが置かれていた。
この貨車は袋詰めのセメントを運んだものだろうか。
[ Sony NEX-3 + Minolta M-Rokkor 28mm F2.8 ]


終点の三峰口から電車に乗って帰ってもよかったのだが
少し走り足りない気分だったので秩父までは走って、そこから輪行で熊谷へ。
熊谷からはのんびりと車で走って帰ってきた。
今回の走行距離は約80km。ちょっと走り足りない感じだった。

機材についての追記

SonyのNEX、ついに買ってしまった。
すっかりポピュラーになったミラーレス一眼。
マイクロフォーサーズと違って一回り大きいAPS-Cサイズの撮像素子を使っているのがウリ。
デザインがイマイチなのが嫌いだったのだが、
マウントアダプター経由で小さなMマウントのレンズを付けたのをカメラ屋で見て
意外と悪くない感じだったので購入してしまった。


撮像素子での内面反射の問題なのか、迷光でコントラストが低くなる事がやや多い気がする。
ハレ切りは怠らない方が良さそうだ。
あと、意識の問題だが液晶画面での構図決定はいい加減になりがちな気がする。
これも気をつけないと。