満身創痍の大行進

週末はつくばへ出張だった。
その帰りの話。

プロローグ

先々月につくばから京都へ引越しをした。
当初、引越しは車で移動する予定だったのだが、車の調子が悪かったので
車をつくばに置いて身一つで引っ越してきた。
その結果、つくばには大量の荷物を積んだ車が取り残されることに。
そこで、今回の出張の帰りに車ごと引越しを完結する事を計画した。


車のトラブルは冷却不足。市街地走行では問題ないが、高速ではオーバーヒートがち。
整備工場に車を持っていったのだが、修理には時間と費用がが掛かるとのことで断念。
街中を走る分には何とかなるので、ゆーっくりと走って京都まで戻ることにした。

旅立ち : つくば(4:00)→[R6]→四つ木→[首都高6→C1→3]→用賀(6:00)

移動日は5/13の日曜日。
東京の混雑に巻き込まれないよう、早朝の4時につくばを出発。
まずは様子見で下道の国道6号を走ってみる。
温度計とにらめっこしながら走ってみたが、やはり市街地では問題ない。
どうやらゆーっくり走れば帰れそうだ。
だが、いかんせん時間がかかる。東京に近づくにつれ、信号待ちも多くなる。
このままでは僕の体力が最後まで持たない気がしたので首都高速に入ってみた。
首都高速は制限速度が60kmなのでオーバーヒートの危険はないようだ。
制限速度を守ってのんびり走る。
首都高速を6号→都心環状→3号と走って東名高速の入り口、用賀に到着。

制限速度80km/h : 用賀(6:00)→[東名]→富士川SA(8:00)

用賀から先は東名自動車道。当初は用賀で下道へ降りるつもりだったが、
走れるところまで走ってみよう、ということでそのまま東名へ。
東名を走り始めると、とたんにオーバーヒート傾向が現れる。
いろいろ試してみた所、どうやら80km/hなら大丈夫で90km/hはアウトのようだ。
渋滞の原因になるようなら即座に降りるつもりだったが、
東名はまだ朝で空いていたので80km/hで走り続ける。


大井松田を過ぎ、足柄から御殿場へ向かう辺りで道は山に差し掛かる。
登り坂になるとオーバーヒートはてきめん。
温度計の針が赤い領域に急接近する。
60km/hでようやく定常状態に落ち着いてくれた。
相変わらず道は空いていたので60km/hでえっちらおっちらと坂を登る。
登坂車線をこんなに必要に迫られて使ったのは初めてだ。


なんとか、東名最高所の標高400mを過ぎ、道は下りにさしかかる。
下り坂では温度計の針がぐんぐん下がっていく。非常に気が楽だ。
富士山の裾野をゆったりと走っている内に、8時ごろ富士川SAに到着。
ここで最初の休憩をとる。富士川の向こうに富士山が非常にきれいに見えた。

慣れと気温上昇 : 富士川SA(8:00)→[東名]→上郷SA(11:30)

富士川を過ぎると道は基本的に平坦だ。
この辺りになると温度計とのにらめっこも慣れっこになってくる。
温度計には目盛りや数値がないのだが、
温度計のマークを基準に独自の目盛り(レベル0[安全]-5[レッド手前])を決めて読んでいた。
"この登り坂は70km/hで目盛り4で登れるな"とか
"この下り坂で目盛り2まで回復しておこう"とか。
慣れとは恐ろしいものだ。


途中、牧の原SAや新城PAなどで休憩しながらひた走る。
温度計と相談しながらの走りも安定してきた、と思っていたのだが…
この辺りで平均速度が80km/hから70km/hに落ちてきた。
平地80km/hでは目盛りが危険水準の4までいってしまう。
どうやら気温が上がってきて冷却が厳しくなってきたようだ。
相変わらず東名は空いているので70km/hで定常走行を続ける。

最後の山越え : 上郷SA(11:30)→[東名]→京都東IC→[一般道]→京都(15:00)

上郷SAで給油。人間もちょっと補給して名古屋圏へ。
この辺りも交通量は少ない。ゴールデンウィークの次の週を選んだのは正解のようだ。
名古屋を過ぎ、養老SAで一休み。この先はこのルート最後の山越え、関が原だ。
SAで十分にエンジンを冷やして(目盛り2)山越え開始。


だが、坂に差し掛かるとすぐに目盛りは5へ上昇。
5はレッドゾーン一歩手前なので、
スピードを落としてゆっくり走る、下り坂ではクラッチを切って回復を怠らない、
など細心の注意を払って走る。
最高所のトンネルを抜けた辺りで目盛り5.5くらいまで上がったが、
そこで何とか峠を越すことができた。


峠を越えるとそこは滋賀県。ようやく近畿に戻ってきた安堵感が漂う。
この先は高低差の大きい山越えもない。
気温の上昇とともに平地速度はやや落ちたが、なんとか70km/h弱を保ってくれた。
最後の大津から京都への坂で再び目盛り5までいったが、何とか無事に京都に到着。
東名高速上での大冒険を無事終えることができた。

まとめ

何とかつくば〜京都間約550kmを11時間掛けて走りきる事ができた。

普段は何気なく走る高速道路上での緊迫感。
普段は何気なく駆け上がる登り坂を見たときの恐怖感。
普段はほとんど意識しない温度計を穴が開くほど見つめたドライブだった。
とにかく、無事で帰って来られてよかった。