"お登りやす""お下りやす" : 愛宕千日詣

愛宕山の山頂にある愛宕神社には、7/31の夜から8/1の朝にかけて参拝すると
千日分参拝したご利益があるという千日詣という風習がある。
この日は参道(登山道)が電灯で照らされ、多くの人が山を登る。
せっかくのイベント、日程に都合がついたので行ってみた。

"お登りやす" : 登り

家を出発したのは少し遅くなってしまって夜の11時。
自転車で清滝トンネル手前まで行って、そこからは歩き。
清滝トンネルはこの日は交通規制でバス専用になっていたので、徒歩で試峠を越えて清滝へ。


登山口の清滝に着いたのが0:30。意外と時間が掛かってしまったが、とにかく登山開始。
歩き始めてまず驚いたのは人の多さ。
深夜に登山をするという性質上、もっとマイナーな行事だと思っていたらとんでも無かった。
登っている間中、間断なく降りてくる人とすれ違う。
これが登山道(結構長い)ずっとなのだからすごい。


登山道で人とすれ違う時には軽く挨拶するものだが、この日はその挨拶も独特。
下っている人は登ってくる人に"お登りやす"、
登っている人は降りてくる人に"お下りやす"と声をかける。さすが京都。
最初はとまどったがすぐに板について似非京都弁で声をかける。
似非京都弁で挨拶する怪しさと、夜に山に登っているという意味不明さとで
不思議で楽しい感じ。ちょっとした異世界間だろうか。


あと、夜間登山は暑くなくて楽だろうと思っていたのだが、実際は非常に蒸し暑かった。
汗がだらだら流れて一向に乾かない。よって体も冷えない。意外とハード。




励まし (マニュアル F3.5 0.62sec ISO-1600 一脚)
愛宕山の参道は50丁に分けられていて、1丁ごとにお地蔵さんが置かれている。
(全部は無いかもしれない)
こういう目印があるとしんどい登りも少しは楽な気分になる。
実際には地元の消防団(?)のつけた"山頂まで??/40"の標識の方が頼りになるのだが。

"ようお参り" : 山頂

2:30頃、山頂に到着。久々の山歩きだったせいか、予想以上にへろへろ。
それでもライトアップされた境内を楽しむ。
神社では火除け(愛宕は火難除けで有名)のお札を求める人や
山頂で日の出を見るために待つ人などであふれていた。
しばらくその賑やかな雰囲気を楽しんだ後、下山し始めた。




石段を照らす灯 (マニュアル F4 1/20sec ISO-200 一脚)
愛宕神社の本殿は愛宕山の山頂にあるので
神社の境内に入ってからも最後に結構しんどい石段の登りが待っている。
でも提灯で照らされた賑やかな雰囲気に気をとられ、気がついたら登りきっていた。




賑わう本殿前 (マニュアル F4 1/50sec ISO-1600)
神社まで登りきって、まずは真っ直ぐに本殿へ向かう。
境内は参拝する人、お札を求める人、休憩する人、日の出を待つ人
色々な人でごった返していた。

"お下りやす" : 下り

山頂で1時間ほど過ごし、3:30頃に下山開始。
下りは体力的には楽なのだが、脚の筋力にくる。
降りるにつれて気温が上がり、過ごしづらくなってくる。
所々渋滞になっていたりで時間も掛かるが、急いでも仕方ないのでゆっくり降りる。
夜が白み始め、徐々に明るくなっていき、下山した頃には夜は完全に明けていた。




長く暑い夜が明けて (絞り優先AE[補正0] F/5 1/30sec ISO-400)
登り2時間、下り2時間掛けてようやく清滝の登山口に帰ってきた。
夜が明けるとともに異世界から戻ってきて、最後に現実世界へと着陸した。そんな感じ。
提灯の明りがわずかに見えるのが不思議な夜の名残。