日本一低い中央分水界 : 篠山から氷上へ
先週は研究発表が終わって一段落。
という訳でサイクリングへ行ってきた。
行き先は丹波方面。
とりあえず篠山まで走って、その先はその場で決める予定で出発した。
京都→亀岡→篠山
京都から亀岡へは相変わらず国道9号の老ノ坂峠ルート。
交通量が多くて、トラックの排ガスが臭くて、路肩が狭くて…
といい所の無い道だが、他にはまっとうな道が無いので仕方ない。
いつものように我慢して越えて亀岡へ。
亀岡からは国道372号(デカンショ街道)を走る。
湯の花温泉付近の小さな峠を越えると平坦な走りやすい道なのだが、
この日は向かい風が強くて難航。速度も20km/hをキープするのがやっとの有様だった。
小さなアップダウンを越え、天引峠にあるトンネルを過ぎると兵庫県に入る。
あとは(風には苦戦しながらも)ゆったり走って篠山市街へ。
崩れゆく塀を背に
天引峠へ向かう手前であやめ(?)が咲いているのを見つけた。
それだけならば通り過ぎたのだろうが、その後ろには崩れかけた塀がある。
そのコントラストに心引かれて自転車を降りて撮影した。
[ D200 + Ai Nikkor 35mm F2 / 絞り優先AE(-1.0) F5.6 1/200sec ISO-100 ]
篠山再訪
篠山へは以前もサイクリングで来た事がある。
その時は篠山城跡しか見なかったので今回は城下町を見て歩いた。
河原町妻入り商家群 (重伝建)
まずは河原町妻入り商家群を見物。
ここは篠山へ入る街道沿いに妻入り
(正面から見て屋根が三角形に見える方向になっている事/写真参照)
の商家が多く残っている。
間口に対して奥行きが深いという商家らしい特徴を見ることができる。
大過去、過去、現在
商家町の中にガラス扉のレトロモダンな雰囲気の家があった。
そのガラス扉にそば屋に入っていく観光客が映っている。
古風な店構えのそば屋、歴史になりつつあるモダン、それを見物に来る現代の観光客、
という対比を撮ったつもりだったが、ちょっと詰め込み過ぎかも。
[ D200 + Ai Nikkor 35mm F2 / 絞り優先AE(-0.5) F8 1/20sec ISO-100 ]
商家群の後は御徒士町の武家屋敷へ。
商家に比べると間口が広く、塀で囲まれているのが特徴だ。
概して商家は建物が直接道に面している事が多く、
武家は塀があって建物は一歩奥まっている事が多い。
それを踏まえると、直接古い建物が残っていない城下町でも
商家町の面影、武家町の面影を感じる事ができたりするのだ。
氷上回廊 : 篠山→柏原→氷上
篠山から先の行き先は考えていなかったが、
氷上(ひかみ)に日本一標高の低い中央分水界があるらしいのでそれを見に行く事にした。
篠山から国道176号線を走る。新鐘ヶ坂トンネルを通ってまずは柏原(かいばら)へ。
柏原に入ると、町のいたる所に木瓜(もっこう)の紋が描かれている。
木瓜といえば織田家だが、何か関係があるのだろうか？と思っていたら
どうやら柏原は江戸時代に織田家(織田信雄の系統)が2万石で治めていたらしい。
日本史を席巻した織田氏がこんな山間の2万石程度(失礼)
に落ちぶれてしまったのが悲しみを誘う。
たばこ屋ノスタルジー
柏原を散策していると閉めてしまったたばこ屋があった。
その店先に描かれているたばこを吸う紳士のイラストが哀愁を誘う。
[ D200 + Ai Nikkor 35mm F2 / 絞り優先AE(-0.5) F2.8 1/500sec ISO-100 ]
次いで氷上へ。
氷上には日本一標高の低い中央分水界がある。
中央分水界というのは雨水が太平洋側へ流れる地域と
日本海側へ流れる地域を分かつ線、行ってみれば日本の背骨みたいなものだ。
大抵は山の稜線を通っているのだが、ここでは標高100mよりも低くなっている。
そのお蔭でここは太平洋側と日本海側をつなぐ重要なルート(氷上回廊)になっている。
分水界の近くには水分れ公園という公園が整備されていた。
石段の紅一点
水分れ公園の近くにあったいそ部神社にも立ち寄った。
その石段に一葉だけ赤い落葉があったので、社殿の夕景をバックに撮影。
いい雰囲気だが、初夏なのに晩秋っぽい感じになってしまった。
[ D200 + Ai Nikkor 35mm F2 / 絞り優先AE(0.0) F2 1/125sec ISO-100 ]
帰還 : 氷上→福知山
氷上からさらに国道175号を北上して福知山へ向かう。
概して平坦だが、相変わらずの向かい風に苦しめられる。
この日は一日中向かい風だった。
小さな峠を越えて福知山へ。
福知山駅で自転車をパックして輪行で京都へ帰還した。
まとめ
走行距離 : 118.9 km
走行時間 : 6時間08分
平均速度 : 19.4 km/h
最高速度 : 47.5 km/h
