伊勢本街道を走る : 榛原から松阪へ
久々のサイクリング。ほとんど一月ぶりだ。
行き先は伊勢本街道。奈良と伊勢を結んだ歴史ある街道だ。
榛原(はいばら)→曽爾(そに)
予定では桜井から走り始めるつもりだったのだが
朝1時間ほど寝坊してしまって出発が遅れてしまった。
少しでも取り返すために出発地点を榛原に変更。
距離はそれほどでもないが、高度を稼いだ状態で始まるのが大きい。
榛原から国道369号で東に向かう。
まずは最初の目的地、高井の千本杉を見に行く。
案内の看板に従って行くと、とんでもない傾斜の林道へ導かれた。
本当に合っているのか不安に感じながらも進む。
そろそろあきらめて引き返そうかと思った頃に発見した。
高井の千本杉
この千本杉というのは一本の杉の名前。
太い根元から何本もの幹が枝分かれして上へと伸びている。
根元から見上げると一本の木に包まれてしまったかのようだ。
[Nikon D200 + Tokina AT-X PRO DX 12-24mm F4 / 絞り優先(-1.0) F5.6]
千本杉を見つけるのと、写真を撮るのとで意外に時間を費やしてしまった。
少し焦りながらも先へと進む。
道はここからここから栂坂峠(つがさかとうげ)の弁財天トンネルまで登り。
傾斜はそれほどきつく無いが、息の長い登りが続く。
弁財天トンネルが標高約600m、榛原で300mくらいだから300mほど登った事になる。
トンネルを過ぎると一気に下って曽爾に到着。
曽爾→奥津(おきつ)
曽爾で見たかったのは鎧岳と兜岳という山。
少し寄り道になってしまうが国道369から外れて見に行ってみた。
鎧岳
名前もカッコイイが、見た目も中々カッコイイ。
その名前は南側にある岩壁を鎧に見立てたのだろうか。
空の青を映し込む
鎧岳の写真を撮っていたら、その麓に銀杏と赤い鳥居が見えた。
門僕神社(かどふさじんじゃ)といい、曽爾の獅子舞という神事が有名なようだ。
手水に空の青が写り込んでいたのを写してみた。
[Nikon D200 + Voigtlaender Nokton 58mm F1.4 / 絞り優先(-0.5) F5.6]
曽爾の寄り道で時間を費やしてしまった。
焦りながら走っていると"松阪まで58km"の標識。時刻は午後1時過ぎ…。
日の短いこの季節、まっとうに走れるのは5時過ぎくらいまでだろう。
4時間で60kmは平均15km/h。休憩時間を考えれば平地でやっとのスピードだ。
予定では伊勢本街道の旧道をゆったり走るつもりだったのだが、
もうそんな事は言っていられない。
片側一車線で整備された国道をひた走る。
桜峠、牛峠を越えて奥津へ。
名松線の落日
奥津はJR名松線(めいしょうせん)の終着駅。
だが、台風による被害で山間部は運休中。
元々採算が厳しいローカル線だけに、JR東海は山間部の廃止を提案しているらしい。
レールの表面に錆が付いているのが、最近列車が走っていない事を物語っている。
[Nikon D200 + Voigtlaender Nokton 58mm F1.4 / 絞り優先(-0.5) F8]
奥津→松阪
奥津から飼坂トンネルを抜けて上多気へ。
ここは室町時代に北畠氏が本拠を置いた土地らしい。
谷に沿った平地に平時の居館を置き、その背後の山に城を築くという
この時代の典型的な本拠地だったようだ。
越前朝倉氏の一乗谷などとよく似ている。
その麓部分には北畠神社があり、室町後期の庭園が残っている。
朽木谷に残る旧秀隣寺庭園(以前立ち寄った)と同じく細川高国の作庭らしい。
北畠氏館跡庭園 (国指定名勝/史跡)
複雑な形をした池(米字池)が特徴的な庭。
旧秀隣寺庭園と作者が同じだけあって似ている…らしいのだが、
開放的な旧秀隣寺庭園と違って鬱蒼としているので結構印象は違った。
護岸の石組みに変化があって見ごたえがある。
庭園を見終えた後、道の駅"美杉"で遅い昼食。
榛原以来コンビニが無かったので、お腹が空いていた。
チャーハンを頼んだのだが、やや量が少なめで残念。
この後は最後の峠を越える。
短い登りの後、いかにも峠道といった暗く細い山道をひたすら下る。
スリップしないように低速で下りきると国道166号にぶつかる。
夕暮れに追われながら比較的平坦な国道166号を走って松阪へ。
松阪の郊外で暗くなってしまったが、何とか無事に市街地へ入る事ができた。
松阪といえば松阪牛、という事で肉が食べたくなったので
ガスト(ファミレス)でハンバーグを食べる。
以前松阪に来たときの夕食はサイゼリア。
どうやら松阪ではファミレスに行く傾向にあるらしい。
松阪駅で自転車をパックして、近鉄で帰ってきた。
まとめ
走行距離 : 84.2km
走行時間 : 3時間58分
平均速度 : 21.1km/h
最高速度 : 47.5km/h
