まっくらやみだ! : 大垣→関→郡上八幡

先週は雨で走れなかったので、今週はその分ちょっと遠出。
以前から行こうと思っていた岐阜方面へ走りに行ってきた。

清流とともに : 大垣→岐阜→関

京都から輪行で大垣へ。先々週の終了地点も大垣だったので、その続きみたいな感じだ。
大垣から少し東に走って長良川へ。
今回の旅はここからずっと長良川沿いに走る事になる。
途中、秀吉が築いた墨俣一夜城があった。
その名の通り、川が合流する地点に建っているのがそれっぽい。
さらに長良川沿いに走ると県営の渡し舟"小紅(おべに)の渡し"があった。




小紅の渡し
長良川を渡す渡し船。昔は棹と櫓だったらしいが、今は船外機付きの船。
船頭は堤防の上にある小屋で客を待っていて、客がくれば船を出すようだ。
昔はさぞ趣があった事だろう。
長良川は街を流れる川とは思えないほどの清流だ。
この写真で少しでも伝わるだろうか。
[ Nikon D200 + Tokina AT-X PRO DX 12-24mm F4 ]


さらに川沿いを走って岐阜の市街に入る。
金華山にある岐阜城を見たかったが、今回は時間の都合でパス。
まあ、岐阜城はいつかまた来る事もあるだろう。
岐阜からさらに長良川沿いの道を走って関へ向かう。
関へ入る道の脇には鉄道の跡が残っていた。昔は関と岐阜をつないでいたのだろう。

まっくらやみだ! : 関

鉄道跡に沿って関の市街地へ入る。最初の訪問地は宗休寺(関善光寺)だ。
善光寺は長野にある寺院で、国宝の本殿が有名だ。この関善光寺にも善光寺式の本堂がある。
重層屋根、妻入りで、上から見たときに軒がT字型になっているのが特徴だ。




善光寺 本堂 → まっくらやみだ!
善光寺の本堂といえば、地下にある戒壇廻り。
本堂の床下にある真っ暗な通路(本当に光が全くない)を手探りで通って、
秘仏の本尊の下にある錠前に触って出てくるというアトラクション(?)だ。
日常生活では決して経験しない真の暗闇。そこを手探りで進むというのが面白い。
今回のサイクリングの目的の一つがこれだったのだが、存分に楽しむ事ができた。




十王裁判
本堂の横に置かれていた十王の像。
十王は人の死後に、その生前の行いによって地獄行きや輪廻先を決める裁判官だ。
十人の裁判官によって十回の審理が行われるが、有名なのは五回目の閻魔王だろう。
写真の左に写っているのは人頭杖(にんとうじょう)と業の秤が一体になった物。
人頭杖は白い顔が善事を、赤い顔が悪事を検知する装置、
業の秤は死者の服を秤に掛けるとその持ち主の罪の重さを測る事ができるという装置だ。
さすがに閻魔王の裁判だけあって、便利な道具が揃っている。
東海地方には十王を祭った所が多いように思う。
裁判というテーマだけに、この即物的な感じが楽しい。
[ Nikon D200 + Tokina AT-X PRO DX 12-24mm F4 ]


続いて、関善光寺の隣にあった弁慶庵へ。
ここは松尾芭蕉の弟子、広瀬惟然が隠遁生活を送った場所らしい。
庵を管理している方と関の歴史についてしばらく話す。
次から次へと関にまつわる歴史上の人物の物語が語られていくのに引き込まれて
思っていたより長居してしまった。こういう郷土のストーリーテラーがいるのはいい事だ。


関は刃物の街でもある。関鍛冶伝承館、フェザーミュージアム、刃物会館と見て周ったが、
時間が足りなくてやや消化不良。
かっこいいアウトドアナイフがあれば買おうかとも思っていたのだが、
ちょっと値段的に手が出なかった。
他にも見たいところはあったが、時間が足りなくなりそうだったので先を急ぐ事に。
関はまた訪れる必要がありそうだ。




梅の香り
関市街の神社で梅の花が咲いていて、いい香りを漂わせていた。
[ Nikon D200 + Ai Zoom-Nikkor 80-200mm F4S ]

再び、清流とともに : 関→美濃→郡上八幡

関から国道156号で美濃市へ。美濃市は卯建(うだつ)の町並みが有名だ。
町並みの中心にある商家が公開されているので見学したが、
時間不足で中途半端な観光になってしまった。
美濃市長良川の水運で栄えた街。上流で切り出した木材の集積地として栄えたのだろう。
川岸には港の跡が残っていた。



連なる卯建
卯建というのは家の両端に屋根の付いた防火壁をせり出した物だ。
"うだつがあがらない"というのは、卯建があるのは裕福な商家に限られた事から来ている。
重伝建に指定されているだけあって、美濃市の町並みは見ごたえのあるものだった。
[ Nikon D200 + Ai Zoom-Nikkor 80-200mm F4S ]




上有知(こうずち)湊
上有知湊は長良川の水運の拠点として栄えた川湊だ。
翡翠のような川の緑を背景に、灯台が絵になる。
近くには住吉神社があった。住吉神社は航海に関係の深い神社なので納得だ。
[ Nikon D200 + Tokina AT-X PRO DX 12-24mm F4 ]


美濃市から長良川は山間に入る。
といっても流れは穏やかなもので、相変わらず清流が穏やかに流れている。
そのすぐ側を自転車で駆け抜けていくのは実に気持ちいい。
途中、川から離れて星宮神社に立ち寄った。
この星宮神社ではウナギが神の使いらしく、地元の人はウナギを食べないそうだ。
何と言うか…自分の地元がここじゃなくてよかった。ウナギおいしいし。


神社に立ち寄った帰り、山と畑の間に石垣のような物が見えた。
気になったので写真を撮っていると、すぐ近くの農家の方に話しかけられた。
その石垣は猪や鹿よけの猪垣だそうだ。
電気柵は最近よく見かけるが、昔は多大な労力を掛けて石を積んだのだろう。


寄り道を終えて郡上八幡へ走る。
関市や美濃市で時間を使いすぎたのと、星宮神社への寄り道が祟って、
郡上八幡に着いたのは日没後になってしまった。
しかも、帰りの列車(京都へ帰れる最終列車)の出発時刻が迫っている。
結局、郡上八幡の観光はまったくせずに帰りの列車に飛び乗った。
まあ、郡上八幡もそのうちまた訪れる機会があるだろう。

帰りは
郡上八幡→[長良川鉄道]→美濃太田→[高山本線]→岐阜→大垣→米原→山科
のルートで帰還した。

まとめ


走行距離 : 100.3km
走行時間 : 4時間34分
平均速度 : 21.9km/h
最高速度 : 44.0km/h