結願つまみ食い : 岡山→宇野→高松→徳島

この日は天気予報では曇り時々雨。サイクリングに出られるような天候ではない。
しかし気象庁の天気分布予報や降水短時間予報などを見ると、香川県東部なら雨を回避できそう。
という訳で前回のサイクリングと行き先が似てしまったが今回も四国へ向かった。

連絡船の名残 : 岡山→宇野→[宇高国道フェリー]→高松

岡山から高松に向かうには岡山駅から快速マリンライナーで瀬戸大橋を渡るのが普通だが、
毎度同じルートでは芸が無いので今回は海上ルートを使ってみた。
岡山から宇野まで自転車で自走する。岡山の市街地を抜け、児島湖締切堤防、
県道42号の尾坂トンネル(トンネル内で路面が濡れていて転倒しそうになった)を通って宇野へ。
フェリー乗り場まで岡山から約1時間半で到着した。


宇野-高松間には宇高国道フェリー四国フェリーが航路を開いている。
今年の初めに一旦両社ともこの航路を廃止しかけたが、何とか踏みとどまってくれたようだ。
余談だが、JRの宇高連絡船は"うこう"連絡船だが、宇高国道フェリーは"うたか"国道フェリーと読む。
自転車+大人1名の切符を買って乗船。自転車を船で運ぶのは(天保山渡し船を除けば)初めてだ。
自転車をフェリーの車両甲板の端っこに置いて、約1時間の船旅を楽しむ。




霧の宇野港
この日はすごい霧で、宇野港から海を見ると真っ白だった。
フェリーが動いているのか心配だったが、何の問題も無く定刻に出港した。
写真の右奥に写っているのが今回乗ったフェリー。
[ Nikon D200 + Ai Nikkor 35mm F2S (絞りF2.8)]




キッチュ×レトロ
フェリーのデッキには古びたスロットマシンが置かれていた。暇つぶし用、だろうか。
パチンコ台とかスロット台とかはキッチュの典型みたいな物だと思うが、
潮風にさらされた型落ちのスロット台には時代に取り残された雰囲気も漂っていて、
そのアンバランスな組み合わせが印象的だった。
[ Nikon D200 + Ai Nikkor 35mm F2S (絞りF2.0)]

よいちのゆみ : 高松→屋島志度寺(86番)

船旅を終えて高松に上陸。西は雨の予報なので東に向かって走り始める。
高松のすぐ東にあるのが屋島。源平の屋島の戦いで有名な所だ。
平氏方は屋島の東にある湾に軍船を泊めて屋島の山を根城にしていた。
源義経は防備の手薄だった陸上から寡兵で攻め、狼狽した平家軍は海上へ逃れた、といった戦いだ。
屋島付近には義経が攻め入った平家陣営の木戸跡や、
那須与一が扇の的を射た際に足場にした岩なんかもあって、なかなか面白かった。


屋島から志度へ国道11号を走る。志度寺に立ち寄ってみた。
志度寺四国八十八ヶ所の86番目、ゴールも間近の札所だ。
ここから87番、88番札所は海沿いを離れて南へ行った場所にある。
当初は、雨が降り始めたらいつでもサイクリングを中断して帰れるように
海岸近くのJR高徳線沿いを走るつもりだったが、予報に反して天気は快晴。
これなら雨が降ることも無いだろう、という事で内陸の87番、88番札所を巡る事にした。

結願つまみ食い : 志度長尾寺(87番)→大窪寺(88番)

志度から県道3号で南へ走る。新興住宅地になっているゆるやかな丘を越えて長尾寺へ。
急に空腹を覚えたので、長尾寺境内の休憩所で昼食休憩にする。
せっかく讃岐に来ているので頼むのは当然うどん。讃岐うどんらしいコシのある麺でおいしかった。




お大師さんも休憩
長尾寺境内の休憩所の入り口に立てかけてあったお遍路さんの金剛杖。
お遍路さんにとって金剛杖は弘法大師の分身。一緒に休憩所で一休み。
[ Nikon D200 + Ai Nikkor 35mm F2S (絞りF2.8) ]


長尾寺からさらに南へ下って八十八箇所結願(けちがん)の寺、大窪寺を目指す。
大窪寺は標高約450mの山中にあるので道は自然と登りになる。
この日は湿度、気温とも高く、登り坂は非常に厳しい。
オーバーヒートでかなりしんどくなってきた頃に、弘法大師の水という湧き水があった。
まさに恵みの水、といった感じだ。
国道377号に入ってさらに山道を進んで行くと、ようやく大窪寺の大きな山門が見えた。




大窪寺 本堂
やっとの思いで大窪寺に着いたのだが、この日は暑すぎでオーバーヒート状態。
イマイチ何があったか思い出せないくらいにぼんやりしていた。
境内は八十八箇所をコンプリートした人々の達成感に包まれていて、
最後だけつまみ食いの僕はイマイチ居心地が悪い感じだ。
境内にあるガラス張りの堂に結願した人たちの金剛杖が大量に奉納されていたのが印象に残った。

海岸線を行く : 大窪寺→引田→鳴門→徳島

大窪寺を見終えたので、帰りの事も考えて海岸線に戻る事にした。
国道377号から県道40号で引田へ走る。
引田は商家の町並みが見所の町だ。




夏!
大窪寺から引田へ向かう山中の道で、ふと道端の田んぼの麦藁帽が目に入った。
カカシ代わりといった所だろうか。いかにも夏!といった感じ。
[ Nikon D200 + Ai Nikkor 135mm F2.8S (絞りF2.8) ]




モダンの香り
引田は商家街とともに醤油醸造所で有名。醸造所は赤壁と仄かにに漂う醤油の香りが印象的だった。
その建物の玄関上には写真のガス灯(?)が掲げられていた。
赤い塀とあいまって、大正モダンといった趣だ。(実際の時代は分からないが)
[ Nikon D200 + Ai Nikkor 35mm F2S (絞りF5.6) ]


引田から国道11号を時間が許す限り走れる所まで走る。
海岸沿いの気持ちいい道を飛ばして鳴門の市街地についたのが7時前。
できれば鳴門大橋を見に行きたかったが、この時間ではさすがに無理。
仕方ないので徳島までゆったりと流して走る事にする。
国道28号から県道220号、さらに吉野川橋で吉野川を渡って徳島駅へ。
徳島駅で自転車をパックして輪行で岡山まで帰還した。

まとめ


走行距離 : 146.4km
走行時間 : 6時間35分
平均速度 : 22.2km/h
最高速度 : 44.0km/h