海の香り、酢の香り : 知多半島一周+α

この週末は京都に居たので京都起点のサイクリング。
行き先は以前から行こうと思っていた知多半島にした。

半島の入り口 : (京都→)名古屋→常滑

今回は18きっぷ利用なので京都から名古屋まで普通列車で移動。
相変わらず米原〜大垣間の列車の車両数が異常に少なくて混雑していた。
なぜ特急型車両を3両編成なんかで使うのか?毎度腹が立つ。
大垣〜名古屋間は着席できて一安心。名古屋で自転車を組み立てて出発。


名古屋を出発して、知多半島のある南を目指す。走り始めてすぐだが熱田神宮へ立ち寄った。
熱田神宮には外国人(多分中国人)の観光客が団体で訪れていた。
熱田から国道247号で南下する。知多半島に入るまでが意外と遠い。
海岸近くの産業道路ではなく旧道の方を走る。この道はどことなく昔からの道といった趣があった。
途中、大野町で立派な十王堂を見つけたので立ち寄ってみた。




十王審判
大野町にあった十王堂の内部にはきっちりと十王と人頭杖などが置かれていた。
十王というのは人の死後にその生前の善行や悪行を裁く裁判官。有名なのは閻魔王だろう。
東海地方は十王信仰が盛んなようで、このような十王堂をよく見かける気がする。
[ Olympus μ-tough 8000 ]


地形的にはこの大野町の一つ手前の知多市辺りからが知多半島だろう。ようやく半島を巡る旅が始まる。
ここから知多半島の西岸を南下することになる。
大野町から少し走って常滑市に入る。常滑は陶器の生産で有名な土地だ。




人の形
常滑の市街地を走っていると、植木鉢を人形の形にして飾ってある(?)のが目に入った。
これも焼き物の町ならでは、という事だろうか。
写真は童話の世界みたいなふんわりしたイメージを狙ってみた。
[ Minolta CLE + Leica Summarit 5cm F1.5 (絞りF2.0-2.8?) + Kodak Ektar 100 ]

広がる海 : 常滑→師崎(もろざき)

常滑を過ぎると景色は急速に田舎ののんびりした雰囲気に変わる。
所々海岸線の近くを走る気持ちいい田舎道だ。ただ、この日もうだるような暑さなのにはまいった。
漁港のトイレで水をかぶって体温を冷やしながら走る。途中に灯台があったので立ち寄って記念撮影。





海が近い灯台
この野間灯台知多半島の先っぽでは無くて途中にある。
海際を走る国道のすぐそばにあって、伊勢湾を広く見渡せる気持ちのいい場所だった。
[ Minolta CLE + Voigtlaender Color-Skopar 35mm F2.5P (絞りF11?) + Kodak Ektar 100 ]


さらに海岸沿いをひた走る。海岸線に沿って海水浴場がたくさんあり、どのビーチも多くの人出で賑わっていた。
半島先端の師崎が近付いて来た豊浜で面白いものを見つけた。




豊浜の鯛祭り
豊浜ではこの時期この鯛の作り物を制作して町や海を練り歩くらしい。
鯛の立派な歯を作り込んであるのが面白い。
[ Minolta CLE + Voigtlaender Color-Skopar 35mm F2.5P (絞りF8?) + Kodak Ektar 100 ]


豊浜から少し走れば先っぽの港、師崎に到着。フェリー乗り場の食堂で遅めの昼食を摂った。
ここからは渥美半島の先端にある伊良湖や、周囲の日間賀島などへ船便がある。
昔は鳥羽に向けても航路があったと思うのだが、無くなってしまったようだ。

順風満帆〜お酢の香り : 師崎→半田

師崎での休憩を終えて再び走り始める。帰りは知多半島の東岸を北上する。
夏らしい強力な南風に押されてハイペースで半田までの約30kmを走りきった。
半田は中埜酢店(なかのすみせ)の本店がある街だ。




中埜酢店本店
中埜酢店、よく知られた名前で言えばお酢で有名なミツカンだ。
本店の周囲には運河を中心に木造の倉が建ち並び、本店は洋風建築(ネオルネッサンス風?)、
その背後には近代的なビルが建つというなかなか絵になる場所だった。
[ Minolta CLE + Leica Summarit 5cm F1.5 + Kodak Ektar 100 ]

濃厚な信仰〜ダッシュ : 半田→蒲郡(→京都)

半田は知多半島の付け根にあたるので、これで半島一周はコンプリートした事になる。
ここで終えてもいいのだが、いつものように走り足りないので東に向けてもう一走り。
海底トンネルの衣浦トンネルを通って(歩行者・自転車専用の道が付いている)碧南市へ。
国道247号を東へ走る。近辺に赤く塗られた地蔵があるという事で立ち寄ってみた。




真っ赤なペイント
赤く塗られた地蔵というのは想像以上に赤く塗られていた。おそらく信仰的な意味があるのだろう。
知多半島四国八十八ヶ所の写し霊場があったり、この辺りは色々と濃厚な信仰文化があるようだ。
[ Minolta CLE + Voigtlaender Color-Skopar 35mm F2.5P + Kodak Ektar 100 ]


赤く塗られた地蔵を見終えてふと我に帰った。そろそろ帰りの電車の時間が危ない。
しかもこの付近にはJRは走っていないので、どこに行くにしても時間がかかる。
調べてみると京都への終電は蒲郡を約1時間後に出るようだ。ここから蒲郡までは約20km強…これは厳しい。
悩んでいても仕方ないのでとにかくダッシュ。幸い風向きが追い風だった事もあっていいペースで走れる。
疲れた体に鞭打って本気で走って、何とか終電出発前に蒲郡駅に到着する事ができた。


(以下、帰りの電車での話)
蒲郡駅で帰りの電車を待っていたのだが、時間が来てもやって来ない。どうやらトラブルで遅れているようだ。
10分ほど遅れてやってきたが、その列車は実際には1時間前に出ているはずの列車のようだ。
大垣や米原での乗り継ぎがどうなるのか不安だったが、車掌は何の案内放送もしない。
大垣駅到着直前になってようやく流れたのが、"乗り継ぎに関しては駅での案内に従って下さい"
という何の情報もない放送。幸い大垣〜米原間の各駅停車は接続待ちをしてくれていた。


米原では接続時間が元々長かったので、問題なく乗り換える事ができた…のだが、今度は米原〜京都の各駅停車が
前の列車のトラブルでしばらく停まった。だが、今度は
"草津駅での草津線、京都駅での大阪方面への接続については現在調整中です→接続待ちをする事になりました。"
と必要な情報がきちんと案内されていた。
車掌個人の違いなのか、会社による違いなのか。(概してJR西日本の方が車掌が丁寧な印象だが…)
朝の苛立ちとも相まって、JR東海は非常に印象が悪かった。(遅れるのは仕方ないが、必要な情報は案内して欲しい)

まとめ


走行距離 : 141.6km
走行時間 : 6時間09分
平均速度 : 23.0km/h
最高速度 : 47.5km/h


(今回の使用機材についてはまたいつか触れる事にしよう)